《解説》 「タンゴ」について この作品は、友人の小説カキ、d-plan(d-p)さんから投稿されたものである。 彼は「僕ノ心デ歪ム残像」というサイトを作ったりしているが、このタイトルからも、そこはかとなく解ると思うが、 独特の感性の持ち主である。 最初の作品が「かわいそうだね」という悲劇というか、ある意味JUNEものか?とか思える問題作で彼はネット小説デビューを飾った。 ダークな雰囲気と優柔不断な主人公ユウ、悪魔的な脇役達によって彼はどうしようもない地獄のような世界に堕落していく、そんな物語だった。 その後、現代妖怪退治もの「妖斬」とか、ホラーサスペンス「死の残響」、ファンタジー小説「CORE」、JOJOの奇妙な冒険的小説「目覚めの宴」、短編各種などなど。 どれもエンターティメント性、溢れる物語だった。 ひょっとして、この「タンゴ」という小説はその反動か? そんな考えが、頭をよぎった。 そもそも、彼は何故、このような物語を書こうとしたのか というのが解りにくい。 何故、踊り子の物語なのか。 それとも、ほんの気まぐれなのか。 彼の中にこの物語を書く必然性がどこかにあったのだろうか? そう、あったのだろうと思う。 何らかの理由が必ずあるはずだ。 そのような資質があるとしたら、それは最初の作品「かわいそうだな」に全てが集約されているように感じられる。 おそらく、d-pさんはこのようなシリアスな人間ドラマを描きたいという内的欲求を抱えているのかもしれない。 そういう視線で今までの作品を見直してみれば「CORE」にしても「死の残響」にしても、物語に対しては過剰なほど緻密な人間関係が描かれているような気がする。 だが、それ自体〜キャラを描き込むことが、小説を書くために必要な手続きであるのも確かであるし、重要でもある。 でも、それも、考え過ぎかも知れない。 ただの気まぐれ、たまたまこのような作品を書いてしまったというだけなのかもしれない。 それでは、じっくりとこの物語をお楽しみ下さい。 あれ? もう読んだって? そうだよね。あはははは。 であであ。 1999.11.11 |